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古賀史健著「さみしい夜にはペンを持て」を読んだガチレビュー


引用:Amazon.co.jp

ベストセラーの嫌われる勇気幸せになる勇気の著者、古賀史健(こが ふみたけ)さんの本ということで、気になって手に取りました。

本のあらすじや印象に残った部分をレビューしていきたいと思います。

「自分の考えをうまく言葉にできない方」「考えるとは具体的に何か知りたい方」におすすめの一冊です。

あらすじ

海洋生物たちがかよう”うみのなか中学校”にて「タコジロー」といういじめられっこの男の子が、日記を書くことを通じて、自分を知り自分を好きになっていくお話です。

タコジローくんは、緊張すると顔が赤くなりうまく話せなくなります。それを見て周りのクラスメイトは、笑ったりいじめたりするのです。タコジローくん自身も、そんな自分がとても嫌いです。しかし、どうやって直したらいいのかわからずに、ずっと苦しんでいました。

ある朝、お腹がちくちくと痛くなるくらい学校に行くのが嫌になり、タコジローくんは初めて学校をサボります。そして、バスを乗り過ごして辿りついた”うみのなか市民公園”で、不思議な「ヤドカリのおじさん」と出会います。そして初めて会ったヤドカリのおじさんに、自然と悩みを打ち明けるのです。

タコジローくんは一通り話し終えると、不思議とスッキリした感じになります。なにもかもどうでもよくなって、消えてしまいたいとさえ思っていた気持ちが、少し薄れているのです。

ヤドカリのおじさんは最後まで口を挟まずに、しっかり聞いてくれました。そして、不思議とスッキリした感じを、“ことばにならない思いを、ことばにすることのよろこびだ”と教えてくれます。言い換えると、頭の中を大掃除する気持ちよさだと言います。

しかし、いつでも聞いてくれる相手がいるわけではないし、誰にも言いたくないことだってある。そんなときは、どうしたらいいのかと、タコジローくんは尋ねます。そこでヤドカリのおじさんは「文章を書いて、自分と対話をするのだ」と教えてくれます。

なぜ文章を書くのか?自分と対話するとはどういうことか?

文章を書くことの意味や大切さを、タコジローくんがヤドカリのおじさんに質問をして物語が進んでいきます。

 

どうしていいかわからず悩んでいる時に、誰かに全部しゃべったらスッキリする。こんな経験は、誰でも一度はありますよね。


 


引用:Amazon.co.jp

感想

この本で特に印象に残った部分は「考える習慣を持たないと、誰かが用意したわかりやすい答えに飛びついて危険である」というところ。

この文章が書かれているページは、真っ黒の背景に白文字で、とてもインパクトがあります。

この本における「考える」とは「自分の頭で考えて答えをだそうとする」こと。そして「誰かが用意したわかりやすい答え」は、必ずしも正しいとは限らず、場合によっては悪意があることも。

もし「考える習慣」がなければ、他の誰かが考えたもっともらしい結論をそのまま鵜呑みにしてしまい、その結果、自分が損をしたり騙されたりします。

「考える習慣」は、将来の予測が困難と言われる今の時代において、まさしく必要だと思いました。

また、「考える習慣」は文章を書くことで身につくと書かれています。ここでいう文章とは、LINEやチャットなどで書く文章ではなく、日記のような「一人でじっくり考えて書く文章」のこと。

LINEやチャットなどの文章は、卓球やキャッチボールのように相手の発言を受けて返事を返し続けます。このような文章は、すぐに返事が来るためじっくりと考える時間がなく、また、話題があちこちに飛ぶため考えを深めることができません。

いっぽう、日記で書く文章は、時間をかけて一つ一つの出来事を振り返ることができます。ちなみに、本書における日記とは「その日の出来事ではなく、その日に思ったことや考えたことを書くこと」と書かれています。

おおよそここまでが本書の前半で、日記を書くときのポイントや考えを深めるためのヒントなどが後半に書かれています。

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まとめ

今回は『さみしい夜にはペンを持て/古賀史健』をレビューしました。

タコジローくんの境遇や葛藤に共感する部分がいくつかあり、ヤドカリのおじさんのアドバイスに学ぶことが多かったです。

本著について読書記録サイト「読書メーター」でも、前向きなコメントが見られました。

・日記というツールが、とても魅力的だと思った
・日記で何を書けばいいのか温かく寄り添ってくれる本
・この本に中学生で出会えたら、読書感想文もちゃんと書けただろうな

小説でありながら自己啓発本の側面を持ち合わせている一冊で、私も中学生の時に読んでおきたかったです。

続きが気になる方は、ぜひ手にとって読んでみてください。

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